コストをかけてもそれに見合う成果が出ないという悩みは、営業マンや管理者なら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。収益モデルが多様化する現在、営業や商談の件数を増やすだけでは成功しにくくなっています。そこで再度注目されているのが、行動管理です。しかし、管理方法によっては失敗する可能性もあります。そこで、正しい方法とはどのようなものか、従来の方法のどこを変えれば良いのか詳しく解説していきます。

成果を上げるための行動管理とは?その必要性を再確認しよう!

行動管理とは、業績を上げるために営業マンの行動のプロセスを数値化して行う管理方法です。けっして営業マンをサボらせないためのものではなく、勤怠管理だけを目的としたものでもありません。
行動管理をしていない営業の現場では、各営業マンの経験や勘、ノウハウにより業務が進められます。営業マンによってはマーケティングに基づくデータを駆使して営業に生かすタイプもいれば、訪問数や商談数などの分母となる数字を増やし、低い確率ながら成果を上げていくタイプもいます。行動管理は、そういったタイプの違う営業マンの行動を数値化しますので、無駄な行動をなくし、改善点を見つけやすくします。また、各営業マンも自分に足りないものや、強みを把握できるのでモチベーションを上げやすくなります。
その一方で行動管理は、使い方を間違うと管理される側から不評を買うこともあり得ます。しかし業績アップという共通の目標を達成するためには、管理者にとっても営業マンにとっても便利なものだといえます。

行動管理をするとどう変わる?管理者と営業マン双方にあるメリットとは

行動管理をすることで、営業マンがこれまで経験と勘で積み上げてきた行動のプロセスを数値化できます。それにより、成果につながる行動の標準化が進められます。標準化された結果、各営業マンのノウハウが全体に共有され、異動や離職、退職による損失を防ぐことが可能です。また、各営業マンのプロセスの改善点がわかると、営業マン自身の成果にもつながり、全体の底上げができます。全てにパーフェクトな営業マンはほとんどいないので、部署内のメンバーにとってもこれは、大きなメリットだといえるでしょう。
一方、管理者は数値化された基準により、各営業マンへ的確な指示ができ、新たな営業戦略や行動計画を立てる際にも役立てることができます。また経営的な視点でも、行動管理をすることで、効率化と収益アップが同時に進められるというメリットがあります。

結果ではなくプロセスに注目!行動管理に必要なチェックポイント

行動管理では、管理者が営業マンを指導する際、結果を分析するのは避けるべきです。そもそも行動管理は、結果だけで管理する根性論的なマネジメントには向いていません。各営業マンのどのプロセスに課題があるのか、その課題をどう改善したらプロセス目標を達成できるのかなど、プロセスを分析して、対策していくことが正しい使い方です。
例えば、行動管理に基づく行動計画表を作成して定めた目標の商談数に、達している営業マンと未達成の営業マンがいたとします。その場合、商談数という結果に注目するのではなく、そこに至るまでのプロセスに注目して分析する必要があります。電話した際、キーマンに取り次いでもらえていないのか、それともキーマンに断られているのか、そもそも電話の回数が少ないのかなどをプロセスごとに細かくチェックするのです。そして結果を分析し、対策を実行していきます。そうすることで、改善するべき内容への対策が可能になるでしょう。

マネジメントの習慣化がカギ!行動管理で効率的に業務を進めよう

営業マンの資質に頼る方法では、時間や行動の管理、効率化も各営業マンに委ねられ、全体の効率化が難しい状況になります。また、従来型の訪問した件数や回数など量的な行動管理では、営業マンは件数を稼ぐことを優先しなくてならず、結果として売りやすい安価なものだけが売れる状況を作り出してしまいます。それでは新規の商談は増えにくく、少ない収益の中でコストだけが増えていきます。しかし、新規の商談などのプロセスを含めた行動管理を行うことで、それらは解消できます。そういったマネジメントが習慣化すると、営業マンはプロセス目標を達成するたびに成功体験ができるため、仕事への意欲も高めやすくなります。そして、さらに改善していこうという機運が全体に高まるでしょう。結果として効率的な業務を全体で進めていくことが可能になるのです。営業の成果とコストが気になるなら、検討してみてはいかがでしょうか。