営業職を続けていると、営業成績が良い社員とそうでない社員がいることに気付くでしょう。トップセールスマンと呼ばれる人には、タイプ別に共通の特徴があるといえます。営業成績が上がらないと悩んでいる営業マンは、トップセールスマンの特徴を知っておき、スキルの向上に役立てていきましょう。この記事では、トップセールスマンのタイプやスキルアップの具体的な方法、使える心理テクニックを通して営業の極意についてご紹介していきます。

営業を極めているトップセールスマンのタイプは?

「トップセールスマン」と呼ばれている営業マンは、いくつかのタイプに分類できます。まずは、「行動量を重視しているタイプ」です。このタイプのセールスマンは、電話や訪問の数を増やして成果を上げていきます。フットワークが軽いことに加えて、業務を効率よく進めていく能力も兼ね備えています。スケジュール管理を徹底しているために訪問件数を増やすことができ、結果としてそれが成績に反映しているのです。
次に、「プレゼンを重視するタイプ」は資料作りに時間を費やします。お客様に資料やデータを提示して、巧みなセールストークで説得していくことを得意とするタイプといえるでしょう。
また、商品やサービスを売り込む前に、自分をひとりの人間として信頼してもらうことから営業を始めるセールスマンは、「自分を売り込むタイプ」といえます。このタイプのセールスマンは、お客様と信頼関係を築くために必要とされる高度なコミュニケーション能力を持っているのが特徴です。
最後に、「ヒアリング力に優れたタイプ」が挙げられます。お客様との会話の中で知りたい情報をキャッチして、それをセールストークに織り交ぜることによって納得させ、契約を結ぶ力を持っています。

営業スキル向上のために実践すべき営業の極意

営業スキルを向上させるためには、まず、商品やサービスを売り込む前にお客様との無駄話を大切するようにしましょう。成績が良くないセールスマンは、早い段階で押し売りのような営業をしてしまう傾向にあります。無駄話の内容は何でも構いません。社会問題やエンタメニュース、趣味の話などで盛り上がってから仕事の話に移りましょう。
次に、お客様の性格を見極めた上で、言葉を上手に使い分けていくことがポイントです。言葉ひとつで、お客様との距離が縮まり可能性があります。礼儀正しい敬語が良いか、それともラフな言葉遣いが良いかなどといったことを瞬時に見極めて、営業活動を展開していくことが大切です。
さらに、小道具の活用もおすすめです。ここでいう小道具とは、商品やサービスのパンフレットのことではありません。結果的に商談に持ち込むことができるような小道具が理想的です。例えば、旅行先のお土産や話題の文房具など、小道具として持ち歩くようにしましょう。そして、小道具を話のネタとしてどんどん活用していきましょう。

トップセールスマンが使いこなす心理テクニック

トップセールスマンは、心理的テクニックを巧みに使いこなしています。まず、「ハロー効果」は、ひとつの特性によってその人や物を判断する心理的な作用のことです。具体的には、「メガネをかけている人はインテリだ」「高学歴な人は人格も優れている」などといった例があります。ハロー効果は、セールスマンがお客様に対して良い印象を与えたいときに使われます。
次に、「アンカリング効果」は、最初に印象に残ったものが後の判断に影響を及ぼすことをいいます。チラシ広告などに多く使われる心理テクニックで、お得感を印象付けたいときなどに効果的です。
また、対話の際に使える心理効果として、「ミラーリング効果」が挙げられます。自分と似た仕草や動きをする相手には、好感を持ちやすいという特徴があります。しかし、やり過ぎは不自然な印象を与えるため、気をつけながら取り入れていきましょう。
続いて、「ザイオンス効果」は、人が何度も接触を重ねているうちに高感度がアップしていくことを指しています。セールスマンとして好感度を上げたいなら、何度も足を運ぶ姿勢が大切だということです。
さらに、人間の錯覚を利用したものとして「シャルパンティエ効果」が挙げられます。例えば、「200mgのビタミンC」よりも「レモン10個分のビタミンC」、「4.7ヘクタール」よりも「東京ドーム1個分」といった方が「効果がありそう」「広そうだ」と私たちは錯覚します。この錯覚を用いて相手にイメージしやすくさせて、商品そのものの印象を根本から変えることがこの心理テクニックの狙いです。
次に、「松竹梅の法則」についてです。日本人は極端なものを嫌うため、松・竹・梅の商品が用意されていたら、「竹」を選ぶ人が多いといった傾向があります。本当に売りたい商品を「竹」に設定して、「松」と「梅」に当たるものを用意しておくと、売り上げアップにつながるでしょう。
また、「返報性の原理」とは「人から何かしてもらったら、そのお返しをしないと申し訳ない」といった心理です。顧客に関心を持つと、顧客も自然とこちらに興味を持ってくれるため、営業がしやすくなるといったメリットにつながります。
最後に、「権威への服従原理」です。例えば、パンフレットなどに医者や大学教授などのいわゆる「権威者」を登場させることによって商品を信頼させ、無意識のうちに従わせるといった効果があります。「権威への服従原理」はビジネスにもよく使われている心理テクニックです。

営業スキルを極めてトップセールスマンを目指す

なかなか成績が上がらなくて悩んでいたセールスマンでも、営業スキルを極めていくことでトップセールスマンを目指すことは十分可能です。営業の極意を心得ておき、実際の営業活動に積極的に取り入れていきましょう。