営業をするうえで大切なのは、商品の情報などの知識や話術などのスキルだけではありません。そのなかでも特に重要なもののひとつがビジネスマナーです。営業のみならず社会人として働くための基盤であり、ビジネスシーンにおいて欠かせないルールでもあります。最低限のビジネスマナーを身につけておかないと、ほかの知識やスキルを活かす段階まで取引を進められないかもしれません。そこで今回は、営業に欠かせないビジネスマナーについて解説します。

判断基準にされやすい身だしなみのマナー

一口にビジネスマナーといっても、さまざまな種類が存在します。最初に意識すべきなのは、身だしなみに関するものです。初対面の人にとって身だしなみが人柄を判断する材料になるだけでなく、見た目の印象で仕事ができるかどうかを判断されるケースもあるでしょう。そのような事態を避けるためにも、身だしなみを入念にチェックすることが重要です。相手に不快感を与えないように、上品で清潔感のある服装や髪型を選んでください。たとえばシャツやスーツは襟や袖が汚れていないか確認し、きれいにプレスしておくのが基本です。控えめな見た目を心がけると、真面目さや誠実さが伝わりやすくなります。女性であればアクセサリーは目立たないものにして、メイクもナチュラルにするのがおすすめです。

営業だからこそ問われる接客・訪問のマナー

営業は社外の人と接する機会が多い職種です。社内の人と接する際もマナーは必要ですが、社外の人と接する際はより慎重さが求められます。会社の印象を左右することを自覚して、マナーに沿った振舞いをすることが大事です。そのため、訪問するときや来客を迎えるときのマナーを押さえておくことが欠かせません。名刺交換ひとつにしても、自己紹介の名乗り(社名と名前)や受け渡しの作法など、覚えることは数多くあります。取引や打ち合わせの際の席次も、敬意の意味が込められているので正しく理解しておきましょう。また、営業の仕事は最後まで気を抜けません。しっかりお辞儀をして相手が見えなくなるまで見送るなど、見送り方にもマナーがあります。営業だからこそ必要となるマナーがたくさんあることを自覚しましょう。

普段の勤務中にも多くのチェックポイントが

普段の社内勤務においても、知っておくべき最低限のマナーがあります。その代表例として、電話やメールをする際のマナーが挙げられます。電話は3コール以内に対応することや、最後に要件を復唱することなどが重要です。メールは書式に注意し、要旨が把握できる件名を付けるなどの工夫をしましょう。電話もメールも敬語を正しく使うことが必須です。また営業をしていると、人の世話になったり人に迷惑をかけたりすることも珍しくありません。そのため、お礼や謝罪の仕方は早い段階で覚えておきましょう。会議室だけでなく、エレベーターや乗り物の席次についても理解しておくと役に立ちます。予期せず上司や来客と乗り合わせる事態になる可能性もあるからです。普段の勤務内容をチェックして、必要なマナーが不足していないか事前に確認しておきましょう。

会食や接待のときにも守るべきマナーがある

営業職の場合、会食や接待などで社外の人と飲食をする機会があります。その場で好印象を与えられると、今後の取引がスムーズにいくなどのメリットが期待できます。そこで重要になるのは、やはりビジネスマナーをしっかり守ることです。相手の好みに応じて店を選ぶことや、手土産を準備しておくことなどがポイントになります。会話が途切れないように、前もって話題を用意しておくことも大切です。相手のグラスに気を配るなど、お酒や食事の進み具合を常にチェックしておきましょう。取引先以外での付き合いにおいても、マナーは良好な人間関係づくりに大きな影響を与えることがあります。営業職は柔軟な対応力を求められるので、あらゆるシーンを想定して最低限のマナーを確実に習得しておくことが不可欠です。