営業研修のなかに、遊びのように見えて実は営業に必要な力を強化するのに役立つゲームがあります。ゲームには遊びのイメージがありますが、ゲーム型の営業研修には営業に役立つノウハウが詰め込まれているのです。これは、営業ゲームを繰り返し学ぶことで、自発的に考え動く能力が培われていくというものです。そこでこの記事では、ゲームを活用した営業研修を通して何が学べるのか、ゲーム型の営業研修の導入の仕方を解説した書籍も含めて、詳しく紹介していきます。
営業としての動き方を学ぶ「マーケットヴィヴィッド」
営業目標を達成するために、考えては動き動いては考える「営業考動力」を身につけるためのゲーム型の営業研修として、「マーケットヴィヴィッド」があります。ビジネスボードゲーム「マーケットヴィヴィッド」には、8つの自己分析ポイントと体系図があり、営業を「見える化」し、考える力を育成します。マーケットヴィヴィッドを行うことで、営業に必要な考える力が強化され営業力を高めることにつながります。このゲームは一定時間(約3時間)内に目標売上げを達成することを目指します。ゲームには実際の営業で課題となるチームワークや意思決定、優先順位など、さまざまな内容が試され、動いては考えることを繰り返していきます。ゲームのシミュレーション後には、営業活動における自分の強みや弱み(課題)を分析・把握する、つまり「見える化」することで、営業としての動き方や考える力を強化し、実際の営業活動とリンクさせながらレベルアップが可能になります。マーケットヴィヴィッドは単なる営業ゲームで終わることなく、考えて動く営業の重要性を理解し実戦に役立つ営業ゲームとしておすすめです。
疑似体験でニーズの引き出し方を学ぶ「ヒアリングチャレンジ」
疑似体験型の営業研修「ヒアリングチャレンジ」は、車の営業を疑似体験するという設定で進められます。具体的には、販売員が顧客に対して最適な車を提案するという営業ゲームです。ヒアリングチャレンジの流れは、販売員が顧客に10の質問をすることから始まります。顧客は回答をカードに書き、販売員は回答をもとにして最適な車を提案します。ゲーム自体は20分程度で終わりますが、その後に振り返りをすることで、2つのポイントを学びます。その2つとは、顧客のニーズを把握できていたのか、ニーズに対して的確な提案をしたのかという単純なことではありません。まず1つ目は、何が欲しいのかではなく、「なぜ欲しいのか」を読み取ることが大切であるという点です。そして2つ目は、顧客は自分でも本当のニーズに気づいていないことがあるという点です。ゲーム後に振り返りを行うことで、ニーズの引き出し方や提案の的確な見せどころに気づくことができるでしょう。
営業のゲーム化!導入の仕方を本で学ぶ
ゲーム型の営業研修を活用すれば、実際の営業に役立つ気づきが得られます。それでは、ゲーム型の営業研修をどのように取り入れたらよいのでしょうか。導入の仕方を解説した本はたくさん出ていますが、その中から2冊を簡単に紹介します。まず「自ら気づき、考える営業ゲーム 営業考動力カード集 『営業考動力』研修プログラム」は、マーケットヴィヴィッドの営業理論を実践するときに役に立つカード集です。ほかにも、「営業のゲーム化で業績を上げる: 成果に直結するゲーミフィケーションの実践ノウハウ」は、営業にも応用できるゲーム事例が具体的に詳しく書かれています。初めて営業ゲームを行う際には、従来の研修とは流れが異なるため進めることが難しいケースもあるでしょう。その場合は、ゲーム型の営業研修に関する本を読んで、事前に導入の方法を学ぶようにしてください。
小さな発見の積み重ねが実践に活きる
営業ゲームで研修を行い繰り返し営業の手順を学んでいくことは、効果的な営業研修のひとつになっています。実践型のゲーム研修では自己分析を通して、さまざまな気づきに出会えます。ストーリー性があるゲーム研修ならではの、顧客のニーズを把握するポイントや最適な提案などの具体的な学びは大変貴重なものです。漠然としていた営業の内容が見えるようになり、また考える力がつくことで、顧客のニーズに対する感性も磨かれていくことになります。ゲーム研修で細かな発見と気づきを繰り返すことは、営業センスをさらに切磋琢磨してくれます。小さな発見の積み重ねが実践に活きる営業ゲームで、営業センスのみならず営業力アップも期待できるでしょう。