企業が顧客と対応する場合、電話を活用する機会も多いでしょう。電話による顧客対応は「社内の顔」と言われ、その企業の印象を決定づけるほど重要です。そして電話による顧客対応業務の中でアウトバウンドコールという言葉をよく耳にすることがあるのではないでしょうか。企業が営業活動をする際、アウトバウンドコールがよく利用されています。そこで、ここでは「アウトバウンドコールとはどのような電話なのか」について具体的に解説していきます。
覚えておくべきアウトバウンドコールの特色
電話による顧客対応業務にはインバウンドコールとアウトバウンドコールの2種類ありますが、前者よりも後者のほうが業務の難易度は高いです。なぜアウトバウンドコールのほうが業務の難易度が高いのかというと、まず相手にとって予定外の電話となるからです。アウトバウンドコールを受信した相手は基本的に電話応対をするための心の準備が整っていません。そのため発信者側は相手と電話で話をしづらい状況に置かれてしまいます。それから提供しようとする商品やサービスが、相手にとって必ずしもニーズのあるものだとは限りません。相手によっては提供しようとする商品やサービスの存在すら知らないケースもあります。そのような状況で発信者側の話を聞いてもらうのは容易なことではないのです。また悪質な勧誘電話を警戒するあまり、アウトバウンドコールに対して悪いイメージを持っている人も存在します。それにより本題の話を提供しようとする前に断られてしまうことも少なくありません。
アウトバウンドコールとインバウンドコールは何が違う?
アウトバウンドコールとインバウンドコールは、どちらも電話による顧客対応業務という点では違いがありません。しかし電話の発信者と受信者がどちらになるかという点で大きく異なります。アウトバウンドコールは企業から外部へ電話をかけるものでテレアポや営業電話などがその代表例です。またマーケティング調査や顧客のアフターフォローなどの目的で行うケースもあります。アウトバウンドコールは販売促進活動の目的で行われるのが特徴です。一方、インバウンドコールとは外部から企業に対してかかってくる電話です。企業が提供している商品やサービスに興味を持った人が、問い合わせをする目的でかけてくる電話がこれにあたります。商品やサービスに対するクレーム目的の電話もインバウンドコールです。インバウンドコールは顧客対応目的の電話でアウトバウンドコールとはその性質を異にします。
アウトバウンドコールを成功させるコツは?
アウトバウンドコールは相手の都合を考えないで行うのが通常です。そのため突然電話をしてきたことの意味を理解してもらい、そのうえで提供しようとする商品やサービスのメリットを相手に納得してもらうことが成功のコツです。突然電話をしてきたことの意味を相手に理解してもらうためには継続して話を聞いてもらえるような状況を作る必要があります。それには、まず発信者はどのような人なのかを明確にして電話の目的を伝えます。それと同時に提供しようとする話の内容が、相手にとって価値のあるものだと思ってもらえるように話を進めなければなりません。そして相手が話を聞いてくれるような状況になったら今度は商品やサービスのセールスポイントやメリットの説明へと移ります。その際に大事なことが、この商品やサービスは自分にとってどのようなメリットがあるのかをイメージできるように説明することです。数字やデータなど具体例を出して説明してあげると相手もよりイメージしやすくなるでしょう。相手も商品やサービスのメリットがイメージできるようになれば、利用意欲も高まってきます。それにより販売成果に結びつく可能性も出てくるのです。
コツを押さえたアウトバウンドコールを!
アウトバウンドコールは、ただ商品やサービスを説明するだけではなく継続して相手に話を聞いてもらえる状況へと導くコミュニケーションスキルが求められます。そのためアウトバウンドコールで成果を出すにはコツを押さえながら行うことが大切です。商品やサービスに興味がない人を対象にアウトバウンドコールを行っても成果の出る可能性は低いでしょう。逆に興味のある人を対象に行えば成果の出る可能性も高くなります。したがってアウトバウンドコールを行う前に、まず見込みのありそうな顧客に絞り込むことから始めましょう。