セールスレップという言葉を聞いたことはありますか。日本ではまだ一般的な制度とはいえませんが、セールスレップを取り入れると社内の営業スキルが底上げされ、利益へとつながっていきます。一部の優秀な営業マンに依存するのではなく、全ての社員でノウハウを共有し、売上目標達成に向かうことが可能になります。セールスレップ制度を深く学び、効率的に導入してみましょう。ここでは、セールスレップ制度の概要やメリットを紹介します。

そもそもセールスレップってどういうもの?

セールスレップの語源は「Sales Representative」という英語であり、「販売代理人」のことを指します。セールスレップは協会から認定された特別な資格を持ち、「営業のプロ」として活躍しています。
多くの企業では営業に力を入れて活動していますが、必ずしも売上に比例しているとは限りません。それは、営業にきびしく命令したり、人員を増やしたりするだけでは効率性がないからです。正しい営業活動のためには科学的根拠に基づくマーケティングから、売上につながる顧客を絞込み適切な商材を訴求する必要があります。セールスレップは営業に求められる知識、ノウハウをそなえたスペシャリストです。欧米では一般的なシステムであり、社内でセールスレップの育成に取り組む企業も珍しくありません。セールスレップが在籍し、高水準の営業活動を指導できるようになるとコストがかからずに利益を伸ばせます。また、「営業マンによって仕事の取り組み方が違う」という事態も防げるでしょう。

セールスレップ資格認定制度って何?

セールスレップを名乗るには、日本セールスレップ協会が制定している「セールスレップ資格認定制度」に基づく試験をクリアする必要があります。試験では主に「マネジメント」「マーケティング」のほか、「企画開発」「経営戦略」など、営業マンが知っておくべき幅広い知識が試されます。セールスレップ資格はあらゆる業種に応用でき、メーカーやサービス業はもちろん、医療系の業界でも厚遇が期待できるのです。
セールスレップ資格は専門分野のレベルに応じて「級」が分かれています。3級では営業戦略やマーケティングの知識がそなわっていることを証明できます。2級取得では企画型営業のほか、情報管理についての知識も学ばなければいけません。1級は経営やコンサルティングについての知識が必須です。現場を指揮し、会社の方向性を定める役職に就くなら1級相当のノウハウが大いに役立つでしょう。もしもセールスレップを社内で育成するなら、「何級の人材がいるべきか」を考えて取り組むのが得策です。

セールスレップの活用事例は?

セールスレップ制度のメリットの中でも分かりやすいものは「営業人材育成のための導入ケース」でしょう。既存の営業マンに対して貴重なノウハウを教え、個人の能力を底上げするためにセールスレップの存在は大切です。また、「半雇用型のシステム導入のケース」でセールスレップを置く事例も見られます。これまでのビジネスモデルでは、優秀な人材ほど他社に流出する危険性がぬぐいきれませんでした。しかし、セールスレップでは「正規雇用」ではない人材でも「講師」などの名目で半雇用のまま就業してもらえます。「実力のある人間と終身雇用契約を結べるだけの予算がない」という課題をクリアできるのです。
「代理店での事業への導入ケース」もあります。代理店が本店と比べて、営業力ノウハウが引き継げずに競争力を低下させてしまうトラブルを、セールスレップは対処してくれます。代理店に出向いての営業指導を行い、本店と変わらないサービスを維持できるのです。

セールスレップを取り入れてみよう

セールスレップは企業の停滞期を乗り越えるためのきっかけになるシステムです。特に、人材育成で大きく遅れている会社には導入してみる価値があるでしょう。社内をあげてセールスレップ資格取得者を生み出す努力も効果的です。