マーケティングにおいて、将来的に自社のサービスや製品に影響を与えそうな世の中の動きを把握することは非常に大切です。自社が所属する業界のトレンドを正確に把握するためには日本だけでなく世界の動向も含めて広い視野を持って世の中の動きを観察することが必要です。マーケティングはいかにこのトレンドを読み取り、将来的な動きを予測できるかが重要になってきます。そこで今回は、このマーケットのトレンドを読み取るためのポイントを紹介します。

業界ごとに異なるマーケットのトレンド

マーケティングのトレンドは業界によって変わります。IT業界のようにトレンドの移り変わりが激しい業界もあれば、ほとんど流れが変わらないような業界もあります。いずれにしても、世の中の動きを幅広く俯瞰し、その中から将来的に自社に影響を与えそうなものをいち早く見つけ出すことが重要です。こうした俯瞰的な視点は、今すぐに結果が出るものではありません。継続的に世間一般の動きや世界全体の流れを把握する中で、今後大きく成長しそうな分野や業界、トレンドをつかむことができるようになります。したがって、普段の生活からアンテナを立てて情報をキャッチし続けることが大切です。

違和感の中からトレンドの種を拾う

常にアンテナを張り巡らして世の中の動きを追っていると、違和感のある情報やニュースに必ず出くわします。「この業界はひょっとして将来すごく成長するかもしれない」「この流れや動きはもう終わりそうだな」といった違和感や疑問の中から、将来のトレンドになりそうな種を見つけだしましょう。この作業を日々の情報収集の中で習慣づけると、いち早く自社が提供する製品やサービスに影響を与える可能性がある業界やトレンドを発見することができます。トレンドの種を見つけるときのポイントは、5年先10年先に影響を与えることになる種の段階で見つけ出すことです。現段階や現状で世の中に影響を与えているものは、5年前や10年前に種の状態だったものが今、花を咲かせているといえます。現段階で影響を与えているものではなく、「将来、このトレンドは花が開くかもしれない」という種となるものを「今」見つける意識を持ちましょう。

トレンドの種から次世代の動きを見極める

こうして見つけたトレンドの種が、将来どのようなトレンドに発展するかを予測し、対策を考えることがマーケティング担当者の腕の見せどころです。もちろん、種の中には世間一般に広まらないものもたくさんあります。その中から次世代のトレンドとなる種を取捨選別し、将来自社にどのような影響を与えるか予測します。もし自社にとって有利なトレンドになると予想できるなら、今のうちにその波に乗る準備をしておきましょう。そして、いざトレンドが来た際に先行者の利益をしっかりと享受できる立ち位置に入れるようにします。逆に、もし自社にとって不利なトレンドとなると予想できるなら、トレンドが種の段階でしっかりと対策を立てておきましょう。トレンドが来たときに対策をするのでは後手に回ることになります。もし対策がしっかりとできているなら、自社にとって不利なトレンドもビジネスチャンスに変えることができるでしょう。

トレンド予測から規模と成長性を捉える

こうしたトレンド予測に基づいて、将来的にトレンドが及ぼすマーケットの規模とどれくらいの成長が見込めるかという点を正確に捉えましょう。予測したトレンドが自社にとって大きな影響を及ぼすマーケットになりうるのであれば、大きく業績を伸ばす絶好のチャンスになります。そして、このトレンドに乗った場合どれだけの成長が見込めるのか、この予測をもとに現段階でとれる対策を練っていきます。予算規模や展開する戦略もすべてマーケットの規模と成長性によって変わってくるでしょう。こうした予測を立てるためにも、現状の世の中の動きを正確に把握し、そのうえで将来的にトレンドになりそうな種を見つけることがマーケティング担当者にとって重要なスキルになります。