「営業とは、足でするもの」という言葉を聞いたことがありませんか。営業職のサラリーマンにとっては耳馴染みのある言葉かもしれませんね。「仕事は過程より結果、より効率的な行動を」という合理的な仕事スタイルが広まっていますが、営業はやはり客商売。顧客をガッチリつかむためには、自ら新規開拓していこうという地道で具体的な行動が求められます。
一見根性論のようですが、このような行動はれっきとした営業スキルです。その名も、アウトバウンド営業。スキルですから、身に付けて自分のものにすることができます。仕事ができるサラリーマンになるべく、アウトバウンド営業について知っておきましょう。
アグレッシブな営業スタイル!アウトバウンド営業って何?
営業と聞くとどんなイメージがわくでしょうか。スーツを着た会社員が、クライアントのところで名刺交換している場面などが浮かぶという方もいるでしょう。では、アウトバウンド営業はどうでしょうか。おそらく、このような用語は聞き慣れないかもしれません。これは、平たくいうと「自分から外に向かう」というアグレッシブな営業スタイルを指しています。わかりやすい例でいえば、銀行マンが挙げられます。定期預金などの契約に、地域の家を訪問してまわるなどはアウトバウンド営業の一例です。また、業者によるテレアポなどもアウトバウンド営業といえます。アウトバウンド営業は、新規開拓をしていくということでもあります。何も知らない地域、見知らぬ家庭の空間に飛び込み、自分たちの持つ商品や価値を売り込んでいくのです。
攻めor待ち?アウトバウンドとインバウンドの違いとは?
アウトバウンド営業は、100%会社側からのアプローチです。「初めまして、○○会社の○○と申します。」という自己紹介レベルの付き合いですね。そもそも自己紹介すらさせてもらえない状況もあるかもしれません。そのような積極的な営業スタイルとは反対に、待ちのスタイルであるインバウンド営業というものがあります。この言葉には、「外から中に向かってくる」というニュアンスが込められています。つまり、インバウンド営業は顧客発信で、こちらはその要求に対応していくというカタチをとります。銀行マンの例でいえば、集金の際に顧客から別の金融商品の是非を聞かれることがありますが、これはインバウンド営業の一つといえます。また、テレアポでは、顧客側から電話を受けるということもインバウンド営業です。アウトバウンド営業とインバウンド営業の違いは、顧客との関係性にあるといえます。アウトバウンド営業は新規開拓、インバウンド営業は既存の関係から新たなビジネスチャンスをつかむといったイメージです。
攻めすぎ注意!強引な営業で顧客にひかれる?!
攻めの営業であるアウトバウンド営業。会社の利益を上げるためには、どんどん新規開拓して顧客を増やすことが有効です。顧客の質より顧客の数が増える方が、確実に成果がでやすいでしょう。
しかし、アウトバウンド営業を行うにあたっては注意点もあります。アウトバウンド営業は、顧客のほとんどが新規の方であり、初対面です。そのため、顧客はこちらのことを全く知らない可能性が高くなります。そんな相手に対して、いきなり「うちの商品は~でして、お買い求めいただけますでしょうか?」などと急なセールストークをしてしまうとどうなるか?当然、引かれますよね。自分が見知らぬ異性に、「ちょっと、デート行かない?」と誘われたときの気持ちを想像してみてください。それと似たようなものです。アウトバウンド営業も、言い方ひとつでナンパみたいだと捉えられてもおかしくありません。大抵、見知らぬ他人に対して人は強い警戒心を抱きます。そこを理解して営業しないと、下手を打てば会社そのものの信用を損ねる事態になることもあり得ます。
バランス感覚をもって鉄のハートで営業すべし
どんどん新規開拓して、顧客を増やしていこうと意気込むのは結構なことです。しかし、積極性も行きすぎると無謀に変わります。勇気ある営業は顧客を呼び込みますが、無謀な営業は顧客だけでなく自分の身を滅ぼしてしまうこともあります。攻めることは大切ですが、それにもまして人と人の中で生きていくためのバランス感覚を大事にしましょう。こっちの都合を押し付けるのではなく、逆境に負けない鉄のハートで、丁寧に顧客の希望を聞き出し、それに沿った対応ができれば、必要とされる営業マンに一歩近づけるでしょう。