営業職というと、積極的に他者とコミュニケーションをとらなければならないというイメージを持つ人が少なくありません。そのため、営業という仕事に対して最初から苦手意識を持つ人もいるようです。しかし、誰しも日常において他者とのコミュニケーションは避けられませんし、コミュニケーションが苦手だから営業は向いていないと判断するのはやや早計です。ここでは、営業に不向きなのはどんな人かをもう少し掘り下げて解説していきます。

営業に不向きな人の特徴

では、どのような人が営業に向いていないかを挙げていきましょう。まずは非社交的であるということ。たとえば、さしたる理由もなく相手の誘いや提案を断ったりすることです。営業というのは人と話し合い、信頼関係を築きあげながら進めていく仕事なので、その機会を自ら放棄するような人は向いていないといえるでしょう。人と接するというのはパワーを必要としますので、仕事に熱くなれない人や変にプレッシャーを感じてしまう人も向いていません。また、営業は交渉を行うことも多いため、嘘がつけず思ったことがすぐ顔に出てしまったり、人が良過ぎて相手の要求をすぐ飲んでしまったりする人も同様です。
とにかく、人と絡んでいかなければならない仕事なので、マメに連絡をとることができない人や相手からのアクションを待ってばかりいる受身の人も営業職には不適格です。これらの人は他者から得る学びにも関心がないからです。また、人とのコミュニケーションは苦手でないという人でも、人の気持ちがわからない言動を無意識のうちにしているケースがあり、この場合は本人に自覚がないため営業になってから苦労します。メンタル的な点でいえば、自身のプライドが高くて完ぺき主義な人や、ちょっとしたことですぐに凹んでしまうような打たれ弱い人も、やはり営業職には向いていないといえるでしょう。

営業向きになるために意識すべきこと

不向きな人の特徴をざっと挙げてみましたが、特徴がわかればそれを改善することは可能ですし、営業に役立つ能力を身につけていけば苦手だった営業も苦ではなくなってきます。営業に役立つ能力といえば、まず挙げられるのが情報収集の能力です。ここでいう情報とは、自社や他社の商品情報にとどまらず、一般的な知識でもかまいません。要は、営業で巧みなトークができなくても、その情報の説明ができて会話が成立するようになればいいのです。
そのような情報を集めるためには、人の話をしっかりと聞けるヒアリングの能力も磨いておきましょう。相手の話を途中で遮らない、適度に相槌をうって相手の話を促すようにしていくことで、思わぬ情報が得られるかもしれません。そして、営業には不測の事態が起こることもしばしばあります。そういったトラブルに、臨機応変に対応するには経験が必要ですが、常日頃からトラブルが発生した場合の対処法については考えておく癖をつけておくべきです。これらの点を意識して、営業活動に役立てていきましょう。

どうしても営業に向かない人におすすめの職業

しかし、そうはいってもやはり営業に向かない人がいるのも事実です。その場合は他に適した仕事を見つければよいのです。営業が不向きな要因にもよりますが、人とのコミュニケーションが多いのが苦手ということであれば、それが少ない仕事がおすすめです。たとえば、事務職や個人でやっているような専門職などが挙げられます。毎日違う場所で違う相手と交渉したりするような変化についていけないという人であれば、流れ作業をしている工場などの仕事が向いているかもしれません。アイデアやスキルを活かしたいのであれば、企画や開発の仕事もよいでしょう。ここに挙げたものは一例ですが、自分に向いている仕事を見つけることが大切です。

不向きでも努力次第で営業はできる

仕事に向き不向きというものは確かに存在します。しかし、何事でも経験していけば、始めた頃よりは上達していくものです。もし営業が不向きと感じている人でも、やる気さえあれば努力と経験を積むことで立派に営業をこなしていくことができるでしょう。ここで解説した内容を参考にして、営業に向き合ってみてください。