多忙で日常的に他人と関わる営業職はストレスを抱えやすい仕事です。営業に負荷がかかりすぎないような環境を整えることも大切ですが、本人の心がけ次第でもストレスは上手にコントロールできます。まずはストレスが起こる原因を探り、対処法を会社で共有できるようにしましょう。ストレスがなくなると作業効率も上がり、結果的に会社の利益にも結びつきます。ここでは、営業の抱えるストレスの実態と上手な付き合い方について解説していきます。
営業職が抱えやすいストレスって何?
営業職のストレスは上司によって生み出されるケースが目立ちます。営業は「売上目標」という守るべきノルマがあり、上司から常に売上の心配をされている立場です。厳しい上司になると仕事内容や態度について細かく否定してくることもあるでしょう。目上の人間に対して言い返せないまま、ストレスを抱えて働いている営業職は少なくありません。
一方、クライアントとのやりとりがストレスになっている営業職もいます。クライアントから横暴な要求をされても、大きな売上がある場合は飲まざるを得ないケースがあります。その結果、営業に負荷がかかって精神的に追い詰められていくのです。
また、上司とクライアントの板挟みになるストレスも過酷です。上司の命令とクライアントの要望が平行線をたどる場合、担当営業はどちらの味方をしていいのか分からなくなります。いずれの肩を持ってももう片方との関係が悪化するのかと思うと、気が気ではないでしょう。
ストレスとの上手な付き合い方は?
営業職はストレスへの対処法を覚え、ある程度は自力で心の平穏を保つ努力が必要です。たとえば、ストレスを感じるポイントに慣れる方法です。上司に怒られても動じないように、「あの人がきつい言い方をするのはいつものことだ」と言い聞かせるなど、メンタルを強くすればストレスへの耐性がつきます。
別の何かをして気分転換するのもストレス解消として有効です。プライベートで趣味に興じたり人と会ったりすると気分が晴れるものです。また、仕事中でもあえて他の仕事をしてみると思考が切り替わってストレスを調整できます。
自分の強みがある営業職もストレスにめげなくなります。嫌なことがあっても「自分が絶対に正しい」と信じられるため、些細な言動に心がかき乱されなくなるでしょう。
簡単にできる気晴らしの習慣を持つのもおすすめです。ストレッチ、つぼマッサージ、軽い体操などオフィスでも実践できるリフレッシュ方法は少なくありません。また、深呼吸をしてとりあえず心を無にするのも効果があります。
憂鬱で仕方がないときの対処法は?
恐ろしいのは「ストレスに麻痺している」状態と「ストレスに耐性がついた」状態を混同してしまうことです。ストレスに麻痺している営業職は本来なら蓄積しているはずの精神的負担から目を背けているだけです。何かの弾みで無視していた負荷に押しつぶされ、うつ病などの精神疾患にかかるリスクもあります。心の病は治りにくく、再発しやすい特徴があります。どうしてもストレスが解決できない場合は副業を始めてみるのも一つの手でしょう。「この仕事でなければ生活できない」というプレッシャーが弱まれば、心のゆとりができます。仕事や人間関係を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。
思い切って転職するのも現実的な選択です。精神疾患にかかってから転職しても、新しい職場で不調になったりトラブルを起こしたりして余計に落ち込んでしまいかねません。ストレスは冷静な判断力を奪います。「まだいける」と思っているうちから転職の準備をするのが賢明です。
いかに上手にストレスと向き合うかがポイント
営業職を続けていくためにはストレスとの上手な付き合い方が最も重要です。自分に合った対処法を知ることも大切ですが、まずはストレスを受け入れるようにしましょう。「ストレスは敵だ」「ストレスなんて抱えてはいけない」とは思わず、営業職につきものだと認めてしまえば客観的に向き合えます。