アポなしで直接新規顧客のもとを訪れる営業スタイルを「飛び込み営業」といいます。取引の履歴がない企業なので滅多に商品が売れることはありませんし、そもそも門前払いされるケースも少なくありません。飛び込み営業に苦手意識を抱いている営業マンも多いでしょう。しかし、大企業への飛び込み営業を成功させれば一気に売上を増やすチャンスでもあります。ここでは、飛び込み営業を成功させるために営業マンが覚えておきたい極意をまとめました。

飛び込み営業の極意1 準備と時間帯が重要!

飛び込み営業といっても、本当に何の準備もなく訪問していては非効率的です。飛び込み営業を成功させる極意としては、「リサーチを怠らない」ことが挙げられます。たとえば、工場向けに生産システムを販売したいなら工業地帯を回るなど、ある程度のターゲット選定は不可欠でしょう。そして、飛び込み営業には「成功しやすい時間帯」があります。早朝のメールや電話に追われている時間帯や、昼間の外出しがちな時間帯では飛び込み営業は相手にされにくい傾向があります。反対に、夕方ころの仕事の目処がついてきた時間帯には飛び込み営業をしても「話だけなら」ととりあってもらえることがあります。

飛び込み営業の極意2 第一印象を心がける

第一印象は人づきあいで重要なポイントです。どんなに優秀な営業マンでも最初に礼儀作法を怠ってしまったら信用を失うでしょう。見ず知らずの顧客に合う飛び込み営業では、より第一印象が大切です。話を聞いてもらえることになれば、いつも以上に「謙虚さ」と「丁寧さ」を心がけましょう。進められるまで入室したり着席したりせず、お茶を出してもらっても自分から手をつけるのは厳禁です。時間を割いてもらった相手に感謝を述べ、手短に用件を伝えましょう。第一印象で好感を抱いてもらえると、今後の訪問につながる可能性が見えてきます。

飛び込み営業の極意3 焦りは禁物!いきなり商売をしない

飛び込み営業では商品やサービスの紹介という前提があります。しかし、もっとも重要なのは「取引の履歴を作ること」であり、持ち込んだ商品はきっかけに過ぎません。いきなり商品を売ろうとして強引な営業トークを始めると相手に疎まれるばかりではなく、真の顧客の要望を聞き逃すでしょう。話のきっかけとして持ち込んだ商品の話をするのはかまいません。しかし、その後も会話を広げ、「顧客の不満」や「会社の現状」を探るように意識しましょう。そして、その場で結論を出さずに「もしご提案できる材料が整いましたら、ご連絡してもよろしいですか」と次につなげるのが極意です。

飛び込み営業の極意4 デキる人の物真似も立派な営業スタイル

飛び込み営業が上手くいかないとき、自己啓発本やビジネス本を読んでみるのも悪くない手段です。しかし、書籍で描かれた事例が自分にもあてはまるとは限りません。仕事に取り組む意識の参考にはなるでしょうが、具体的な方法を授けてくれる本は稀なのです。それよりも自社のデキる人を見習った方が実践的です。いっそのこと、「仕事を教えてください」と相談してみるのもいいでしょう。会社のためになるならデキる人は極意を同僚に教えるのも厭いません。より自社の強みに則した、すぐにでも使える営業スタイルを授かれば、売上に直結する可能性もあります。

辛くなったら飛び込み営業の真意を見つめる

飛び込み営業は体力以上に精神的なストレスがたまる仕事です。そのうえ、成果が伴わなければ「こんなことを続ける意味はあるのか」と思うときもあるでしょう。しかし、成果が伴わないのは「飛び込み営業」自体に問題があるのではなく、方法が間違っている可能性があります。計画を冷静に見つめ、仕切り直す勇気もときには大切です。飛び込み営業の意味は「新規開拓」であって、数を打つことではありません。失敗が続くと視野は狭くなりがちですが、広い目で仕事の意味を再確認しましょう。ただ頑張るだけではなく、「効率的に頑張って結果を出す」営業が理想です。