学生を営業インターンとして募集するかどうかで迷っている企業は少なくありません。たしかに、一人ひとりの学生の能力の差は大きいため、企業側が募集をためらう理由も理解できます。しかし、学生を対象とした営業インターンを行うと、学生に仕事の魅力を伝えることができ、また社員も学生に教えることで成長できるなど、さまざまなメリットがあります。そこで今回は、学生を対象とした営業インターンを成功させるための注意点やポイントについて紹介します。

営業インターンはなぜ必要か

実際に就職をしてみると、多くの学生が職場はそれまで見てきた環境とは全く異なることを実感するものです。また、営業職に関してはネガティブなイメージを持っている学生も少なくありません。そのため、営業職を目指す学生にとって、営業インターンは営業職の立場や心構えを知ってもらうためには必要な機会といえるでしょう。営業職は企業の利益を生み出している大事な職種であるということ、社外の人と接するシーンが多いことからビジネスマナーもしっかり身につける必要があることなどは、営業インターンを経験する学生であれば身をもって体験することができます。営業インターンは、入社前の学生に対して理解しておいてもらいたいことを説明する良い機会であるため、企業側にとっても多くのメリットがあるのです。

教えることによって成長する

営業職を経験したことがない学生に対して、分かりやすく仕事を教えることはとても大変なことです。普段何気なくしている業務であっても、場合によっては学生が理解しやすいように簡単な言葉で伝えるなどの工夫をすることも求められるでしょう。しかし、これらのことは決して無駄な努力ではありません。営業職として働いている社員にとっても成長のきっかけになるものです。専門的な知識を持たない相手に、短期間でいかに理解させるかを考えることは、自分が普段から効率の良い営業を行えているのかという観点から見直すきっかけにもなります。学生を対象とした営業インターンというと、学生ばかりにメリットがあるように思われがちです。しかし、学生だけではなく、営業職に携わっている社員にとっても大きな成長が期待できるメリットがあるのです。

自社に必要な人材を見極められる

学生を対象とした営業インターンの募集を行うと、たくさんの学生が応募することが予想されます。社員は営業インターンとして訪れる学生を指導していく中で、一人ひとりの学生が「どのような能力を持っているのか」という点について、しっかりと時間をかけて見極めることが可能になります。初めのうちは緊張している学生であっても、時間をかけて接していくと、その学生の人間性や物事に対する考え方などが少しずつ分かってきます。一人ひとりの資質を正確に見抜くことは、短時間で行われる面接だけでは難しい場合もあります。自社にとって「本当に必要な人材かどうか」を見極めることができる営業インターンは、企業側にとっても大きな魅力がある制度といえます。学生の営業インターンを募集するかどうかで迷っている企業は、上記のメリットや魅力を踏まえて一度検討してみることをおすすめします。

学生でもできることで終わらせない

営業インターンを募集するのであれば、自社にやって来る学生を学生扱いするのではなく、新入社員として扱う心構えが必要になります。企業によっては、営業インターンの学生に対して「学生だからこの程度」というラインを引いてしまうことがあります。しかし、ラインを引いたまま対応していると、企業側としても伝えたいことを伝えられずに営業インターンが終了するという中途半端な結果に終わってしまいます。また、ラインを引いてしまうことによって、学生が持っている本当の力を引き出せないおそれもあるでしょう。営業インターンとしてやって来る学生に自社の魅力を正しく知ってもらうためにも、企業側は一新入社員としての扱いを心がけることが大切です。