顧客に商品やサービスを販売する手法は多数あります。しかし、すべてが効果的なわけではなく、成果を挙げやすい販売手法は時代によって少しずつ変化しています。いくら実績があっても、ずっと通用するわけではありません。売上を伸ばしていくには、時代に合った販売手法を取り入れていく姿勢が必要です。そのような販売手法として、コンサルティングセールスが注目を集めています。そこで今回は、コンサルティングセールスについて詳しく紹介します。
お客様のニーズを感じ取る接客方法
顧客のニーズは時代とともに移り変わりが早くなっています。そのため、販売側の都合で一方的に商品やサービスを提供しようとしても、魅力を感じてもらえない可能性が高くなります。顧客にどのようなニーズがあるのかを感じ取るための接客が必要になるのです。顧客の関心のある分野に精通しているスタッフが、豊富な商品知識を持って相談に応じることで、それが可能になります。ニーズを探るだけでなく、予算との兼ね合いや商品の使い方など、顧客の目線でいろいろな相談に乗ることも大切です。そのうえで、どうすれば購入意欲を促進できるのかを分析し、必要な情報を伝えることで販売に結び付けます。このようなニーズを感じ取るための接客をベースとする販売手法を、コンサルティングセールスと呼びます。
コンサルティングセールスが有効な商品やサービスとは?
コンサルティングセールスが特に有効な商品があります。たとえば、パソコンや家電製品はその代表です。多くのメーカーからさまざまな商品が発売されており、専門的な知識がない人はどれが良いのか判断するのが難しいからです。衣料品や化粧品、装飾品などもコンサルティングセールスが適しています。センスや嗜好性が選択のポイントになるため、それらに合った商品を提示してもらえると、顧客の多くはありがたいと感じるでしょう。ライフスタイルを変えるきっかけになる住宅や自家用車などの高額商品も、購入時には専門的なアドバイスを受けたいと考える顧客が多いものです。運用の仕方によって利益が変わってくる金融商品も同様です。このように一般の人があまり知識を持っていない商品分野で、コンサルティングセールスは有効に機能します。
コンサルティングセールスの基本的な流れ
顧客の要望をしっかり聞き出すことが、コンサルティングセールスのスタートです。どのようなニーズがあるのかをまとめたうえで、それに合った商品やサービスを選びます。顧客に提案するのと同時に、分かりやすい言葉で特徴を説明するのが次のステップです。説明だけで終わらずに、顧客からの質問を受ける時間もとります。説明を聞いたときに感じた不安や迷いを確認するためです。豊富な知識や経験を生かして、不安や迷いが解消するように話を続けます。これにより無事に契約や販売に至っても、まだ終わりではありません。契約内容や取扱方法についても詳しく説明しなければならないからです。また、アフターフォローに真摯に関わることにより、それ以降も良好な関係が維持できます。これがコンサルティングセールスの基本的な流れです。
テクニック以上に信頼感が重要
コンサルティングセールスを行うには、専門知識を活用しながら相談に乗るというテクニックが必要です。しかし、テクニックを重視しすぎると、失敗してしまう恐れがあるので注意してください。コンサルティングセールスを成功させるポイントは、顧客から信頼されることです。そうすればニーズが引き出しやすくなり、提案もしやすくなります。どれだけ専門知識が豊富であっても、顧客のニーズが分からなければ十分な効果は期待できません。そのため、いきなり豊富な専門知識を用いて説得しようとするスタンスは良くありません。上から目線のような印象を与えてしまい、顧客は心を閉ざしてしまうでしょう。専門知識に頼り過ぎずに真心を込めた接客を行って、顧客に信頼されることが最も大事です。