建設業といえば、現場で工事に当たる人々を連想してしまいがちです。もちろん、彼らの存在がなければ建設業は成り立ちません。しかし、会社に仕事をとってきて売上を伸ばすのは営業の仕事です。建設業における営業は「縁の下の力持ち」のイメージがあるかもしれません。ただ、会社を支える重要な役割であり、優秀な営業なしには企業力の向上は見込めないのです。ここでは、建設業界で営業として働く人々の仕事内容を具体的に解説します。
建設業における営業社員の立ち位置は
営業とは「会社の提供できる商材を売り込み、利益をもたらす仕事」です。そして、建設業でも営業の役割に大差はありません。顧客に対して提供できるサービスを訴求し、契約へとつなげる重要な仕事です。
建設業界では営業が顧客にアピールするのは「建物」となります。新築や改築など、顧客の状況に応じて相応しい環境を提案します。そして、受注したら工事計画も提出し、納期に間に合うよう工期をコントロールします。
営業は顧客と現場をつなぐ役割もあります。スムーズな工事には営業の努力が欠かせません。社内で営業に課せられる責任は重大です。
営業の仕事内容の詳細について
多くの企業と同様に、営業の仕事は「既存客への営業」と「新規開拓」に分かれます。既存客は以前取引があった顧客のことで、比較的アポイントメントを取り付けるのは楽です。たとえば、「以前工事をした箇所の耐久年数が過ぎようとしています。この機会に改築しませんか」というように営業をかけ、利益につなげます。
一方、新規開拓は取引のない顧客を新たに開拓するための仕事です。アポイントメントをとりつけるのも一苦労ですし、会ってもらえたとしてもすぐには仕事の話になりません。しかし、会社の売上を底上げするためには既存客に依存するだけではなく新規顧客の獲得も必須です。
建設業の営業の苦労…何がやりがいになる?
建設業の営業は、他の業界の商品と比べて「提案すればすぐに売れる」とはいきません。改築工事をする場合、予算はもちろん工期に合わせて社内の整理を行う必要もあるでしょう。つまり、どんなに魅力的な提案を行っても売上に直結しないところが苦労だといえます。
その代わり、提案が受け入れられて売上につながったときの喜びは換えがたいものです。また、一つの案件で多額な利益が入ってくることも珍しくありません。キャリアの浅い若手社員が努力と工夫次第で活躍できるのも興味深い点です。建設業の営業は苦労に見合っただけのやりがいは感じられる仕事です。
建設業の営業社員向けの人材とは
建設業の営業に向いているのは「コミュニケーション能力」があり「切実な人材」です。建物の工事を任せるのは、並大抵の信頼ではできません。相手の技術だけでなく人柄も認めてはじめて、提案を検討しようという気持ちになる企業がほとんどです。まずは相手に心を開いてもらうためのコミュニケーションが必須になります。
ただし、口だけ上手くて中身が伴っていない人間は最後の最後で信用を得られません。建設業は一度依頼した会社と長い付き合いになります。いわば、家族のように親身になって寄り添ってくれる営業社員こそ、顧客は求めています。嘘をつかない切実な人格は建設業の営業として成功できる可能性があるでしょう。
建設業で営業は大切なポジション
もしも工事中にクライアントが不満を感じたとします。しかし、その場で作業員に直接指示を出したらトラブルを招く恐れもあります。クライアントと作業員が口論を起こすと、今後の取引にも影響が出るでしょう。そこで、営業の存在が重要になってきます。クライアントと現場を仲介し、波風が立たないように立ち回れるかは営業の腕の見せ所です。
何より、営業がいなければ会社の発展はありません。素晴らしい工事の技術があったとしても、世間に知られなければ意味がないのです。会社の前線に立って活躍する営業は建設業を支える頼もしい存在です。