売上に直結することからプレッシャーが大きい反面、やりがいもあり、企業の花形ともいえるのが営業職です。営業職は業種・業態にかかわらず常に不足しがちで、未経験歓迎という企業も少なくありません。とはいえ、「一日も早く戦力として働いてほしい」というのが採用側の本音です。熱意だけではなかなか採用されないかもしれません。未経験から営業職に応募するときに、どのようなことに気をつけたら良いでしょうか。営業職に活かせるスキルや上手な応募動機の伝え方などについて、考えてみましょう。
【ポイント1】営業職に活かせるような経験を伝える
営業職に求められるスキルとしてまず挙げられるものに、”コミュニケーション能力”があります。子どもの頃から野球やサッカーなどのチームに所属していた、学生時代に部活動やサークル活動を行っていたなどの経験は、コミュニケーションスキルをアピールする良い材料になります。また、販売や受付など、人と接する仕事の経験も大きなアピールポイントです。それらの経験から学んだコミュニケーション能力を、具体的なエピソードを交えて伝えると効果的です。
営業職というと「明るくて積極的、話が上手」などのイメージがありますが、「自分は引っ込み思案で口下手だから」と諦めることはありません。営業職にとって大切なのはヒアリング力、つまり”聞き上手である”ということです。まずは相手の話に丁寧に耳を傾けることで、悩みや要望を引き出すことができます。さらには、相手が気づいていなかった問題を見つけて、新たな提案につなげることも可能になるのです。人から相談事を持ちかけられることが多いなどのプライベートな経験も、営業に活かせるスキルとしてアピールできます。
そのほか、”粘り強さ”、”忍耐力”、”行動力”、”コスト感覚”なども営業職に欠かせないスキルです。今までの経験を思い出すと、アピールできるスキルが必ずあるのではないでしょうか。
【ポイント2】転職の理由を明確にする
なぜ営業職を希望するのでしょうか。「やりがいがありそう」「稼げそう」「時間が自由になりそう」など、いろいろな魅力があるでしょう。しかし、企業の顔となって常にビジネスの最前線に立つ営業職は、決して楽な仕事ではありません。売上目標をクリアする強い意志や、顧客の信頼を得るための気配り・忍耐力が必要です。それらの厳しさを承知したうえでのチャレンジであることや、営業職を経験することで将来どんな成長をしたいのかなど、具体的に考えて伝えることが大切です。
【ポイント3】貴社を志望した理由を伝える
採用側が知りたいことのひとつに「志望動機」があります。応募する人が仕事の内容をきちんと理解しているかどうかをチェックする大切な質問です。特に営業職の場合は、扱う商品や顧客(個人・法人)によって経営方針が異なるので、厳しくチェックされることでしょう。自分が希望する企業についてリサーチしていないと、的外れな志望動機になってしまい、採用されることは難しいかもしれません。応募の前に、企業の特徴や強み、商品や営業スタイルなど、きちんと把握することが重要です。そして、「なぜこの企業でなければならないのか」「自分の持つ経験やスキルを活かして、どのように貢献できるか」など、熱意をしっかりと伝えましょう。
未経験ならではの志望動機を考えるのが重要!
営業の仕事は、ものやサービスを売ることではありません。顧客の要望や問題解決に応えられる提案をするのが、営業職の本質です。営業は未経験でも、業界や商品についての専門的な知識は強みになります。また、顧客の信頼を得ることが重要な営業職にとって、聞き上手で誠実な人柄は大切な資質です。過去の実績をアピールできる経験者と違い、未経験者は「いかに顧客の立場に寄り添えるか」「問題解決のためになにができるか」などの視点から志望動機を考えてみると良いのではないでしょうか。自分の持ち味を吟味して、ぜひ積極的にアピールしてください。