社内での情報共有のために、社内ポータルサイトを導入している企業は少なくありません。しかし、「なかなか浸透しない、活用しきれていない」などの声がよく聞かれます。一方、ユーザーである社員からは、「自分に関係ない情報が多すぎる」「そもそも画面が見づらい」といった不満の声が挙げられることがあります。社員全員に活用されるポータルサイトにするためには、見やすさや使いやすさを意識することが大切です。ポータルサイトをデザインするときに、ぜひ気をつけたいポイントを紹介します。

見やすさを重視したサイトデザインのポイント

まずは画面の見やすさから考えてみましょう。世代や趣味などターゲット層を絞り込んだ場合なら遊び心のある凝ったデザインもすてきですが、情報共有が目的のポータルサイトは、ユーザーにとって見慣れた配置のほうが使いやすいのです。
そこで「視線の法則」を意識してみましょう。「Zの法則」「Fの法則」という言葉を目にしたことがありませんか?人の視線は無意識のうちに「Z」の文字を描くように動くという法則です。Webサイトや雑誌、チラシなどのデザインはもちろん、スーパーやコンビニの商品の配置にもこの「Zの法則」が活用されています。「Fの法則」も同じく無意識の視線の流れを表しています。一般的なポータルサイトやニュースサイトのトップページでは「Zの法則」、個別の記事やECサイトの商品ページでは「Fの法則」が活用されていることが多いそうです。参考にしてみてはいかがでしょうか。
また、読んでいる文章が画面上であちこちに散らばっていると、とてもストレスを感じるものです。文字や画像を揃えるのも、見やすさの大切なポイントです。

色への工夫のポイント

見やすさを考えるうえで、色について工夫することも欠かせません。サイト全体があまりにカラフルだと、なにが重要なお知らせなのかがわかりませんし、目も疲れます。
まずは基準となる色をひとつ決めましょう。会社のロゴマークに使用されているコーポレートカラーをベースにすると、ユーザー(社員)にも親しみやすく、他の色が決めやすくなります。次に、基準となる色(ベースカラー)以外に、サブカラーとアクセントカラーの2色を決めましょう。情報共有が目的の社内ポータルでは、同系色から選ぶと、見やすくて落ち着いたイメージにまとまります。この3色それぞれの明度・彩度を調節することで、まとまりをキープしつつ、さらに多くの色を使うことができます。

文字の表示をさせるポイント

少し細かいことですが、文字の表示にちょっと工夫することでも、ぐっと見やすくなります。まず、ひらがなやカタカナ、句読点などは文字間を詰めること。「MS P明朝」「MS Pゴシック」などのプロポーショナルフォントは、自動的に間隔を詰めてくれるので便利です。行間は、詰めすぎると読みにくいし、空きすぎると画面をスクロールする手間が増えますので、適度な感覚に設定しましょう。
また、大切な部分を強調させるコツとして、「の」「は」といった助詞や「円」「月」「日」など単位は、少し小さめの文字サイズにすると効果的です。雑誌記事のタイトル部分やスーパーのチラシなどが参考になります。伝えたい内容によって使い分けてみてはいかがでしょう。

見やすさと使いやすさを考えた社内ポータルサイト作りを!

社内ポータルサイトにとって、見やすさと使いやすさは何よりも重要なことです。サイトを開いたときに、大切な情報がすぐに見つかるようなものでなければなりません。毎回、隅から隅まで目を通さなくてはならないようでは、社員の本来の業務に支障が出てしまいます。若い人から年配の人まで、またパソコンやインターネットを使い慣れている人や不得手な人など、社内にはさまざまな人がいます。社内ポータルサイトを作るときには、「誰もがストレスなく使えること」を常に考えながらデザインするのは、とても大切なことなのです。