営業の中には「自分に厳しいタイプ」と「自分に甘いタイプ」がいます。そして、結果を出し、会社に利益をもたらしてくれるのは「自分に厳しいタイプ」です。彼らは一度口にした目標を厳守しようとし、努力を重ねて達成へと向かいます。「自分に甘いタイプ」は行動目標の立て方から見直してみるのがおすすめです。緻密な目標はモチベーションを高め、困難を打ち破る力になります。ここでは、例をまじえながら行動目標の書き方を解説します。

行動目標の意味と必要性を知ろう

行動目標とは「会社で達成するべき目標のためにとる行動を具体化したもの」です。営業であれば、売上や獲得件数などが成果目標、売上につながるアクションが行動目標として扱われます。行動目標は自分自身の指針として立てる場合もありますが、会社員なら文書化して上司に提出する義務も求められます。
行動目標は会社に「自分はこのようにして会社に貢献します」という宣言です。会社員とは言われたことをこなせばいい存在ではありません。行動目標を立てることで、会社にも自分自身にも結果を「約束」しているのであり、「なんとしてでも達成しなければいけない」というモチベーションにつながります。

行動目標はどうやって立てればいいの?

行動目標は基本的に前年度を参考にして立てていきます。しかし、「前年度は目標数字が上げられなかったから次年度は目標を甘くしよう」と考えるのは本末転倒です。年度を経るごとに売上が伸びないと企業力は落ちてしまいます。目標は前年度よりも高く設定するのが基本です。そして、1年間で目標を達成するための計画を月ごとに考えていきます。
一方で、現実的でない目標を設定しても到底達成はできません。たとえば、全社的に売上が下がる時期に高い目標を設定しても非効率的です。「前年度は8月に売上が上がった。それは固定客が毎年夏に動きがあるからだ」と根拠を持って行動を設定すると、達成できる範囲で目標を定められます。

営業あるある!行動目標が達成できない理由

営業が行動目標を達成できないよくある理由の一つが「楽観視」です。たとえば、大きな売上が見込める取引先があったとします。そして、行動目標もその顧客を中心に計画しました。ところが、顧客が倒産してしまい目標の根拠が失われてしまったとしましょう。一つの顧客に依存しすぎた売り上げ目標は不測の事態に対応できません。前年度よりも「何を積み上げるか」を意識して行動目標は立てましょう。
また、引継ぎ客の売上も要注意です。前任者から引き継いだばかりの顧客は、「やり方が変わった」として注文を少なくするケースも少なくありません。引継ぎ客は気を引き締めて対応しましょう。

成果目標(結果目標)との一致を考えよう!

行動目標と成果目標は密接につながっています。もしも「自分は営業力を上げるためにセミナーに通います」と行動目標に書き込んだとします。確かに長い目で見れば、セミナーで売上を良くすることは可能でしょう。しかし、該当する時期の成果目標とセミナーが結びつかないのであれば、行動目標としてふさわしくありません。あくまでも「成果目標にいたるための行動」を行動目標にするのが理想です。
休眠客の見直しや、顧客の動きに合わせた提案などは素早く反響が得やすい行動目標です。会社のために優先すべき行動を考え、結果に反映されやすい内容を書きこみましょう。

まずは書いてみるのがおすすめ!

行動目標は悩み始めるとキリがありません。また、「10月に得意先が移転するから、そこに合わせて商材の提案をしよう」と考えても、得意先の都合が変われば目標も修正を強いられます。行動目標はあくまで「目標」であり、臨機応変に変わっていくものです。悩んでいる間にとりあえず書き出していくのがおすすめです。
一度書き始めてみると、次々にアイデアが生まれてくるケースもあります。また、一つ一つの行動の関連性が文字にすると見やすくなり、思考もはかどります。書き上がった行動目標を推敲して、中身のある目標にまで仕上げましょう。